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 顧客とは何か

 「顧客」を定義するには、まず、市場を明確に定義し、その中での顧客の位置付けから「顧客」を定義する必要があります。

では、具体的に市場を明確に定義し、「顧客」の定義をしましょう。


市場の定義

 市場とは、商品やサービスの「買い手」と「潜在的な買い手」の集合を市場と定義します。そして、市場は、次の5つの種類に分類されます。

 1 潜在市場
 2 有効市場
 3 有資格有効市場
 4 浸透市場
 5 標的市場(対象市場)

市場は、この1〜5の5種類に分類されます。では、各市場の定義を一つづつ見て行きましょう。

1 潜在市場
 潜在市場とは、商品やサービスを買いたいと明確に表明し、何らかの方法で支払い能力を備えている消費者の集合を指します。

2 有効市場
 有効市場とは、1の条件を満たし、いつでも企業から購入できるつながりを持っている消費者の集合を指します。

3 有資格有効市場
 商品やサービスによっては、購入するために一定の基準や資格が必要な時があります。例えば、薬、たばこ、アルコールなどを購入するためには一定の基準や資格が必要です。有資格有効市場とは、これらの条件を満たし、1、2の条件を満たした消費者の集合の事を指します。

4
 浸透市場
 浸透市場とは、過去に企業から製品を購入した消費者の集合の事を指します(顧客 既存市場)。

5 標的市場(対象市場)
 標的市場とは、1〜4の条件を満たした消費者で、企業が顧客化することを狙い定めている集合の事を指します(見込み客候補)。

つまり、

 1〜3は、潜在顧客
 4は、  既存客
 5は、  見込み客候補

となり、「顧客」とは4の浸透市場のことで、過去に企業から製品を購入した消費者の集合の事を指します。

ここで、販売の視点からもう少し市場を分析してみます。販売視点で市場を見ますと、

 ・潜在市場とは、    有資格准見込み客候補
 ・有効市場とは、    准見込み客候補
 ・有資格有効市場とは、 見込み客候補
 ・浸透市場とは、    見込み客候補もしくは、顧客

となり、
売り上げを伸ばすには、有資格有効市場、浸透市場に集中して販売活動をする必要があります。

ところが、販売活動でよく見かける失敗事例では、こういった基準を設けずに、単純に資料請求をしてきた人への営業活動を最優先事項としているケースが多々
あります。

つまり、資料請求者が顧客になる可能性があるかどうかを精査しないで、最優先事項として営業活動を行っているのです。それでは上手く行くはずがありません。

そこで、上記のような市場の定義、顧客の定義を明確にし、
資料請求できる人の基準を決めて、基準を満たしている人だけに資料を送るようにする必要があります。

たとえば、実際に資料請求する人に資料請求時に以下のような質問をすれば、顧客になる可能性もより明確に判ります。

 1 御購入予定は、いつ頃ですか?
 2 御予算は、おいくら位で御考えでしょうか?
 3 弊社の製品は、どのような目的で御
検討されているのでしょうか?

資料請求時に資料請求した人が、このような内容の3つの質問に誠実に答えない場合、あなたの会社の顧客になる可能性はありません。

何故かと言いますと、もし、あなたが、ある商品が欲しいと本気で願い、充分なお金を持っていて、いつでも買える業者を何社か知っていたとします。

あなたなら、一番買いたい販売業者にどのように接触しますか? 
最初に、資料請求をしますか?

おそらく、最初に一番買いたい業者に電話を
しませんか? そして、直接、肉声でこんな質問をしませんか? 「在庫はありますか?」、「もう少し、お値引きできますか?」、「試用は、できますか?」、・・・ 。

これでお判りいただけたと思います。

では、顧客は、なぜ資料請求をするのでしょうか? それは、購入時の自分の判断が間違っていないか確認したいだけなのです。


あなたの会社の資料をよく見て、欲しい製品が自分の目的を達成できるかどうか判断し、あなたの会社の製品と他社の製品を比べて、あなたの会社の製品が自分にとって最もリーズナブルだと判断して製品を購入した人、それが顧客です。

 ※このページは、弊社がマーケティング研修でも使用しているテキストの一部を抜粋してウェッブサイト用に編集したものです。

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